- くらい
- I
くらい[クラヰ](副助)〔名詞「くらい(位)」からの転。 中世以後生じたもの。 「ぐらい」の形でも用いる〕体言および活用する語の連体形に付く。(1)おおよその分量・程度を表す。 ほど。 ばかり。
「一キロ~行くと駅につく」「茶さじ一杯~の塩をいれる」「プロ選手~の実力はある」
(2)ある事柄を示し, その程度が軽いもの, 弱いものとして表す。「酒~飲んだっていいよ」「ご飯~たけるよ」
(3)ある事柄を示し, 動作・状態の程度を表す。「あんなことを言う~だから, 何をするかわからない」「辺り一面真っ暗になる~のどしゃぶり」
(4)比較の基準を表す。「…くらい…はない」の形をとることが多い。 「こども~かわいいものはない」「君~勉強ができるといいのだが」
(5)ある事柄を示し, それがひどく悪いもの, 嫌うべきものとして表す。II「くらいなら」の形をとることが多い。 「降参する~なら死んだ方がましだ」
くらい【位】〔「くらい(座居)」の意〕(1)天皇の地位。 また, その地位にあること。 皇位。「~を譲る」「~に即(ツ)く」
(2)朝廷・国家から与えられる, 身分・等級・称号など。「~を極める」
→ 位階(3)ある集団内での地位・身分の上下関係。「棋聖の~」
(4)〔数〕 数をアラビア記数法で表示した一つの桁について, 記数法の約束によりその桁に表示された数に乗ずべき数が n であるとき, その桁を n の(または n に対応する命数の)位という。 たとえば十進法の整数で下から五桁目は万の位。(5)作品の品位・風格。「付句の~とはいかなる事にや/去来抄」
(6)芸道上の力量の程度。 到達し得た境地。「この~を得たらん上手こそ天下にも許され/風姿花伝」
~が付・く品格・威厳がそなわる。~人臣(ジンシン)を極(キワ)・める臣下として最高の位につく。IIIくらい【暗い】〔動詞「暮る」と同源〕(1)光の量が少なく, 物がよく見えない状態である。 明るさが足りない。「日が暮れて~・くなる」「~・い夜道」
(2)色がくすんでいる。 黒ずんでいる。「~・い紫色」
(3)(性格や気分が)陰気で晴れやかでない。 明朗でない。「~・い性格」「気持ちが~・くなる」
(4)犯罪・不幸・悲惨の存在を感じさせる。「~・い過去」「~・い世相」
(5)希望がもてない状態だ。「見通しは~・い」
(6)事情をよく知らない。 精通していない。「法律に~・い」「この辺の地理に~・い」
(7)愚かだ。 暗愚だ。「~・き人の, 人をはかりてその智を知れりと思はん/徒然 193」
(8)不十分である。 不足している。「我が韃靼(ダツタン)は大国にて七珍万宝~・からずと申せども/浄瑠璃・国性爺合戦」
⇔ あかるい﹛派生﹜~さ(名)~み(名)IVくらい【食らい】食うこと。 多く複合語として用いる。「大飯~」「ただ飯~」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.